[日々の壺]

綿入りべすと

楽装くぼ田 » お知らせ » 日々の壺 » この記事(2008年1月12日

%E7%B6%BF%E5%85%A5%E3%82%8A_title.jpg綿(わた)入り、なぞという言葉は昨今ではなかなか聞かないもののひとつになっておりますが、棉花は江戸時代初期あたりには自家用に各農家で栽培されており、後に東北など寒冷地を除いた日本各地で商用栽培が盛んになったそうです。

私達が子供の頃には「打ち直し」なんて言葉もありまして、おばぁちゃまが古い布団を打ち直して袢纏を作ってくれた記憶のある方も多いのでは、と思います。この袢纏、この頃ではポリエステル綿などで作ったものが売られていますが綿のボリュームが出過ぎて、どうも着にくい印象のものになってしまいました。現代に在る物を否定する気持ちはございませんが、祖母が作ってくれた袢纏は綿の馴染みが絶妙であったように...わたしのボディーが記憶しているのであります。

木綿(cotton)は吸放湿性にすぐれており、加えてその綿(わた)は保温性にも富んでいるのです。

写真左は、藍染め古布の綿入りベストです。
古き好き時代の日本の庶民文化が、どっかりと詰まっている作品でありながら、現代のファッション事情の中に置いてもひと際センスきらめくのでは?...と思っておりますがいかがでしょう。
ベストは藍無地に書生絣・縞布をつかい、V字型のラインがすっきりと綿入れの印象を払拭しており、春と言えども寒さ厳しい季節柄でのお出かけ着にひと役かってくれることでしょう。

写真では、暖かい春の日にふさわしくコーディネートしてみましたが、セーターやワンピースと合わせて頂いてもステキです。お洒落とひとくちに申しましても、なかなか無理がきかなくなるお年頃があるものです。女子高生の短いスカートなどは見ているだけでトイレが近くなりそうな気分になってしまったり、はたまた羨ましかったり(笑)。ともあれ...年齢を重ねたお洒落の究極は、そこはかとない文化の香りと知性かな?とも思う今日この頃。

お金では買えない豊かさを次世代に繋いで生きたいものですね。


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